倍速視聴のなにが悪い

ここ数年、「倍速視聴」を話題にした記事や意見をよく目にするようになりました。

 

 

倍速視聴の記事のほとんどが若者を取り上げているもので、そのほぼ全てが倍速視聴を問題視しているものです。

倍速視聴がいかに悪いものかを淡々と語り、これだから若い奴はとでも言いたげなものばかりで、倍速視聴のメリットなんてお構いなし。見てるだけで反吐が出る。

 

そんな倍速視聴を問題視する意見のなかにも、さまざま主張があります。

「ドラマなどを倍速視聴するのは製作者に失礼」というものや、倍速視聴そのものを否定・問題視する意見もあれば、「等倍で見れる時間を作るべき」という的外れのものや「倍速視聴をしていると人間関係に支障が出る」という専門家まで。

 

 

 

製作者に失礼というのはまぁ分かるんです。

間をとったり、喋る速さや表情で演技を変えている人だっているでしょうし、そのままを楽しんでほしいという主張は理解できる。

ただ、それを視聴側に押し付けるのはどうなんだろうか、それも制作していない人間が。

 

物は買った人の所有物になります。

鍋をプランターにして文句を言う人はいますか?

花を買って押し花にした人を責める人がいますか?

本来の用途と違う使い方をしている! と怒っている製作者はいるんでしょうか?

 

そんな人はいませんよね。

それどころか、別の使い方をして褒められることのほうが多いのではないでしょうか。

 

 

ドラマや映画だって同じです。

作品を公開した時点で製作者の手を離れた物、どう視聴するかは視聴者の自由。

だから倍速視聴したからといって文句を言われる筋合いはないわけです。

 

 

 

かくいう私もよく倍速視聴をします。

時間の節約にもなるし、内容も頭に入るし、なんの問題も感じたことはありません。

You Tubeに倍速機能があってどんなに助かったことか。おかげで以前よりも見れる動画量が増えたし、配信に遅れても余裕で追いつくことができます。

 

こんな便利な機能を否定してる人って、カラオケで前奏や間奏を飛ばしてないのかな?

番組の間に挟まれているCMもちゃんと見てるの?

You Tubeに出てくる広告もちゃんと最後まで見てるんですかね?

「ちゃんと見ないと製作者に失礼」なんだから、まさか飛ばしてはいないですよねぇ。

 

 

 

そもそも「倍速視聴をしていると人間関係が崩壊する」なんていった専門家は科学的な根拠があって言っているのでしょうか?

間や表情を見落とす可能性があったとして、それが本当に人間関係に影響があるのか。

倍速視聴していない人は本当に人間関係が良好でコミュ力が高いのか。

倍速視聴をしている人と、倍速視聴をしない人で人間関係がどう違うのか、ちゃんと統計をとったのでしょうか?

 

ただ否定するだけ否定してなんの根拠も示さないとは、専門家の風上にもおけません。

 

専門家やインフルエンサーの影響力は計り知れません。

だからこそ発言に気をつける必要があるし、根拠なしに恐怖を煽るなんてことはしてはいけないと思っています。それが責任をもった大人というものではないでしょうか。

 

 

さて、私はインフルエンサーでもないし、芸能人でもない。

もちろん専門家でもありませんので、好きがって書きたいことを書かせてもらいます。

 

 

 

ドラマや映画、音楽、ラジオ、漫画、情報動画。

どんなものでも頭に入れば倍速視聴でも問題ないと考えています。

倍速視聴でも情緒を感じることのできる人はいるだろうし、情緒を感じなくてもいいって人もいるんじゃないでしょうか。

 

以前、「小説を読むのは時間の無駄」と言っている著名人がいました。

検索してみると「フィクションは無駄」と考えている人が結構いることに気づきます。

小説が大好きな私からしたら悲しいことですが、それを否定しようとは思いません。

「フィクションが無駄」な人にとっては本当に「フィクションが無駄」なんでしょう。

それなのに別の意見をもっているからと、それを押し付けることなんてできません。

 

それと同じで、情緒をドラマや映画から受け取りたいと思ってない人もいるかもしれない。

ドラマの内容、話が分かればそれで良いって人もいるかもしれない。

同時に、倍速視聴をしていても情緒を感じる人だっているかもしれないんです。

それをさも悪とでも言いたげに書き立てるマスコミやTVに不快感を感じざるを得ません。

 

 

 

 

いっぽう、授業や情報動画の倍速視聴には好意的な意見も多いようです。

情緒がないぶん寛容に受け入れられているのかもしれませんが、なぜここに差がつけられているのか理解できない。

製作者側からしたらドラマだろうが情報だろうが同じだと思うんですけど。

まるで芸人を下に見ている芸能人みたい……。

 

今日もTwitterでこのようなニュース記事を見ました。

 

先程も書いたとおり、私は全てではないものの倍速視聴をする派です。

とくに情報系の動画・音声だけのラジオなどは倍速視聴がたぎります。

というのも、ほとんどの人は喋る速度が遅いからです。

 

頭に入れば問題ないと書きましたが、倍速視聴でも頭に入る理由には「喋りが遅い」というものが含まれます。

90分の授業に「時間がもったいない」と感じるのは当然のことで、だいたいの授業は教諭の喋る速度が遅かったり、関係のない話をしている無駄な時間があったりします。

必要なことだけを適格な速さでやってくれれば、90分なんてあっという間だし、もっと多くのことを学べるのです。

 

もちろん教諭も人間ですから、超人的な速さで板書することはできないし、話し続けていれば疲れるでしょう。だからこその倍速視聴なのです。

倍速視聴している人間は、自分にできる努力をしているだけにすぎません。

 

 

そもそも。そもそもですよ。

倍速視聴に文句をつけてる人って、音の処理が苦手な人なんじゃないかって思うんです。

反対の意見に「倍速だと頭に入らない・理解できてないだろう」というものがありますが、倍速視聴している人のほとんどは内容がしっかりと頭に入っているのです。

理解できなければ倍速視聴なんてするはずがないんですよ。

 

速読できる人は文字を目で捉え、処理する能力に長けていますが、倍速視聴はまさに速読の音verです。「言葉を音で理解する能力に優れている」から、倍速視聴をしてもなんの問題もないと考えれば合点がいきます。

 

 

 

 

「聞き取りやすいようにゆっくり喋りましょう」なんてよくいわれてますが、速いほうが聞き取りやすい人だってたくさんいると思います。

ゆっくり喋られると、それを理解しようとする脳の動きもゆっくりになる。

そりゃ眠くもなりますよ。時間換算すると脳がほとんど動いてないんだから。

 

お年寄りのように耳が遠かったり、判断能力が低下している人にはゆっくり喋ったほうが良いだろうけど、若くて判断能力の高い人には早口で喋るくらいがちょうど良いんですよ。

時間の節約にもなるし、それだけ得られる情報が多くなるんだから良いこと尽くしでしょ。

 

 

 

それでいうと、メンタリストDaiGoさんの喋る速さくらいがちょうど良いんじゃないかと思います。まぁ私はDaiGoさんの動画も1.5倍で視聴してますけど。

とにかく、他の人の喋る速さが遅すぎるんだよ。

 

好きなYouTuberにコレコレさんという暴露系YouTuberがいます。

配信もよく見るのですが、いつも2倍速で視聴しています。それでも遅いと感じるくらい。

3倍速があればきっと3倍速にしているでしょう。

でも処理能力・判断能力には個人差があるし、聞いている年齢層も分からないんだから、あのくらいの速さがベストなのかもしれません。

 

だからこそ、倍速視聴の自由は認められるべきだと思います。

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