いまTwittwerでとある記事が話題になっています。
それがこれ『男性向け同人とかに検索避け文化とかがない理由が今更ながら分かった』
読んでみるとまぁ大雑把ではあるものの、あながち間違ってもないなといった内容で。
なんでそんなに話題になっているのか分からなかったのですが、わたしも思うところがあったので書いてみようと思いました。
そもそも論として、男性向けと女性向けでは大きく違うところがあります。
それは「対象が誰なのか」です。
男性向けは基本的に「女性キャラ」と「竿役(登場人物もモブもいる)」で構成されており、注目されるのは女性キャラだけで、女性キャラの描写はしっかりと書かれているのに対し、竿役はぼんやりしてることも多い。
しかし女性向けは相手が決まっていることが多いのです。
どういうことかというと、BLであれば「攻役」と「受役」、夢であれば「男性キャラ」と「自分」というように、基本的に相手が固定されている。
ここが検索避けが必要とされるかどうかに大きく関わってくると思っています。
ちなみに男性向けには百合(GL)というものもありますが、BLほどきっちりしたものではなく、好きな子同士が絡んでいればいいといった考えが基本。
(もちろん腐女子にもそういった考えの人もいるけど、ここではあくまで一般的、マジョリティの話をします)
だからこそ「女性キャラが見たい」男性と「カップルが見たい」女性では、作品に求めるものが違うのは当然のことです。
これは男性と女性の性に対しての考え方の違いにも通じるものがあると思います。
女性なのか、恋人なのかという違いです。
女性という広いジャンルで見ればどの作品も対して変わることはなく、単に解釈違いや絵柄の好き嫌いでしか区別することがないのに対し、2人がいて初めて成立するという恋人というジャンルから見れば、相手が違えば大きな違いが出てくるわけです。
それは不倫・浮気といった概念になりますからね。
そして、こういった問題は女性の方がシビアで敏感です。
家庭を守るといった観念からみてもそれは当然のことで、相手が決まっていることが大事だという考え方が多いのが女性です。
いっぽう男性は多くの子孫を残すことを本能としているので、そのへんは鈍感といえます。
さて、さきほどもいいましたが、男性と女性では作品に求めるものが違うので、違う作品を見たときのダメージ量が大きく違ってくるわけです。
「AさんにはBさんしかいない」「Aさんにはわたししかいない」そう思っているわけですから、別のものが入ってくれば混乱するのは当然のこと。
だから検索避けをしてダメージを負わないようにしているのです。
これは自衛であり、また配慮でもあります。
解釈違いに関しても、女性は自分のなかに正解をもっているので(理想の恋人関係を求めているので)、それ以外のものには拒絶を感じるのだと思います。
甘いカレーを好きな人が、辛いカレーを美味しく食べられないのと同じことです。
こう書くと「男性はなんでも受け入れられる」人間だと思われがちですが、決してそういった事はありません。
男性はあくまで「男性向け」に寛容なのであって、「女性向け」にはむしろ狭量です。
たとえば女性はBL・GL・NLすべて見れる人が多いですが、男性はBLに拒絶を感じる人がほとんどだし、男性向けは検索避けをしないにも関わらず、女性向けに検索避けを求める男性が多くいるのも事実です。
ぎゃくに女性は他には寛容ですが、自分のグループには厳しい側面を持ちます。
だからルールをきっちり決めて、それを守らないものがいれば糾弾する。
ペンライトの色が違って怒るのも、同担拒否をするのも、検索避けの強制も、その表れではないかと思います。
とはいえ、当の記事は焦点を「男性向けと女性向けの文化の違い」においているので、それについては間違ってないと思うし、納得しています。
ちなみにわたしは地雷の多い腐女子ですが、作者側が検索避けをする必要はないと思っています。
わざわざ紛らわしい書き方をされて探せないよりは、自分ではじいたほうが効率もいいし、心にも優しいとは思いませんか?
そもそも相手に配慮を求めるのならば、まずは自分が配慮をすべきではないでしょうか。
それもせずに相手にばかり求めるのはおかしな話です。
「自分の機嫌は自分で取る」
それができる大人が増えてくれると、もっと住みやすい世界になると思うんですけどね。