【双葉荘の友人】時を超えた友人のお話

ここ最近ずっとホラー番組やホラーな記事を探しては読み漁るという生活をしていましたが、そろそろ別の作品も観たいと、原点回帰することにしました。

 

わたしの原点はもちろんミステリー。作品に散りばめられた謎と違和感、そしてそれが紐解かれていく瞬間を見るのが何よりも楽しく、刺激となり、わたしの心をときめかせてくれます。

そんなミステリー作品を探していたときに見つけたのが『双葉荘の友人』でした。

【ストーリー】2000年3月。舞台監督の川村正治市原隼人)と雑誌編集者の妻・美江(臼田あさ美)は、神奈川・横浜の街を望む高台のテラスハウス「双葉荘」に移り住む。この家の大家・寺田幸吉(中原丈雄)とその妻・直子(吉行和子)の高飛車な態度は気になったものの、隣の部屋に住む主婦・八井沙季(陽月華)との相性は良く、正治も美江も新生活になじんでいった。

そんな中、正治は舞台監督の仕事を退職し、美江の計らいで自宅でのライター業を始めることに。ある朝美江を送り出した正治は、家の中に不穏な気配を感じる。誰もいないはずの家に人影が…。それは26年前に「双葉荘」の同じ部屋に住んでいた倉田誠司(中村倫也)という画家の“幻影”だった。驚く正治に反応する倉田。似たような境遇の2人は次第に交友を結ぶようになるが、ある日正治は幻影の中で信じがたい光景を見てしまう。それは幻か過去に実際に起きたことなのか?驚くべき真相が明らかになる。

引用:WOWWOW

www.wowow.co.jp

 

正直な話、普段なら絶対に選ばない作品だと思います。

画像からも見て取れるように、なんの恐怖演出もない、ほのぼのとした作品なんですよ。

わたしが好きなのはマーダーミステリー、いわゆるサスペンスや、ホラーな展開のあるゾクゾクとしたミステリー作品。

『双葉荘の友人』のようなほのぼのとした雰囲気のある作品にはそもそも目もいきません。

 

なのになぜこの作品を見たのか?

自分でもよく分からないのですが、ミステリー作品としてこの作品がでてきたこと、そして幽霊を匂わせる内容に、まだホラーを引きずっていた心が惹かれたのかもしれません。

 

 

だからこの作品を20分ほど観たとき、「あれ、なんか思ってたのと違うな」となりました。

全体を通してほのぼのとした、なんだか幸せそうな空気が漂ってきて、それが自分のいる世界に似つかわしくないというか、好奇心を満たしてくれる作品ではないのでないかと、そう感じて観るのをやめようかと思ったりもしました。

 

でもなんか上手く言えないんだけど、観ているうちに先が気になって……。

正治と誠司の関係もなんだか微笑ましいし、出版業界の話だからソレ関係の話も出てくるんじゃないかと観ていくうちに、気づいたら終わりを迎えていました。

正治と誠司が友情を育んでいく姿はすごく微笑ましくて。いろんな苦労や事情はあるけど、お互いに励ましあってるんだろうなって、描かれていない部分もありありと想像できたし。

主人公たちを優しく見守ってくれているような沙季との関係も、そんなにお隣さんとの関係が良好なことある!? ってくらい和やかで心休まる時間でした。

 

ひとつ驚いたのは、最後のほう(引越し時)正治ある秘密に気づいているような発言をしていたのに、実は気づいてなかったってこと。そういうミスリードもあるんだ!? っていうね。

あの状況で気づかないとか鈍感すぎるだろ……。

あれか、ミステリーやホラー作品でお約束の主人公属性か。

 

 

 

 

最後に大どんでん返しがあるとか、壮大なストーリーがあるわけではないんだけど、観終わったあとに満足感がじんわりくるような、ほっこりして優しい気持ちになれる作品でしたね。

腰を据えてじっくり観たいってよりは、リラックスした日常のなかで観たいって感じ。

 

ミステリー要素は正直薄く感じました。ホラーな展開もなかったし。

それよりも夫婦の生活やお隣さん、幻影との関係性に焦点があたっていて、ミステリーというよりはヒューマンドラマじゃないかなって思う。

 

まぁだからか、途中でギミックが分かっちゃうミステリー作品って結構あるんだけど、『双葉荘の友人』は途中で気づいちゃってもそのバレが気にならないというか、それを分かったうえで観るのも良いと思える作品でした。

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